リレーコラム

片桐直哉


vol.68

2019/11/25

 

北区選出の片桐直哉です。

 

紅葉の季節の京都は、普段でも多い観光客がさらに多くなります。なぜ京都の紅葉はこれだけ人を引き付けるのでしょうか。私の事務所の近く、北区の堀川北大路を下がったところに、源氏物語の著者である「紫式部の墓」と伝えられている場所があります。源氏物語というと華やかな王朝の恋愛の物語というイメージが強いのですが、物語には人間の煩悩や執心がたくさん登場し、物語全体を通して無常観が表現されます。源氏物語に限らず、古典文学においては「無常観」は共通したテーマであり、平安時代から中世にかけての文化のベースになる概念であるように思います。すべてのものは常に変化して、そこに留まることはない。そうした無常観がまた、京都のまちと文化と景観を作り上げてきたということができます。季節感もまた文化。文化の深さがあるから、京都の紅葉は人を引きつけているのではないでしょうか。京都市はいま「文化を基軸としたまちづくり」を進めています。京都というまちを形づくってきた文化的な背景を理解していくことは、政策を進める上でも大切だと思っています。